05-04 売上単価または消費単価の計算 |
問題05-04-01 |
解答05-04-01
(A)総平均法
これは、払出しの時は数量だけを記録し、一定期間末に繰越高と仕入高(または完成高)の合計金額を、繰越数量と仕入数量(または完成数量)の合計数量で除して平均単価を計算し、これをその期間中の払出単価とする方法である。
特徴:一定期間の払出単価は均一であるが、その単価が一定期間経過したのちでなければ判明しない欠点がある。一定期間ごとに加重平均法を適用する。
(B)移動平均法
これは、資産を取得する都度、その数量および金額を直前の残高数量および残高金額に加えて、新しい加重平均単価を算出し、その単価を次に新しいものが取得されるまでの払出単価とする方法である。
特徴:同種の棚卸資産を取得するごとにそれによって単価を計算しなおす方法。払出単価はすぐに計算でき異なる単価で取得すれば、それ以後の払出単価は取得前の単価と異なり、製造原価または売上原価の計算は迅速に行なわれるが、計算に手数がかかるという欠点がある。
(C)先入先出法
これは、先に取得したものから先に払出されると仮定し、取得日付の早いものから順次払出したものとして払出単価を計算する方法で、買入順法ともよばれる。
特徴:これによれば、棚卸資産価額は時価に近い価額で評価されるが物価上昇期には、購入の時と販売の時との間の貨幣価値の下落が利益として売上総利益の中に算入されることになる。
(D)後入先出法
これは、後から取得したものが先に払出されると仮定し、取得日付の近いものから順次払出したものとして払出単価を計算する方法で、買入逆法ともよばれる。
特徴:物価上昇期には、先入先出法に比べて貨幣価値の下落による利益を売上総利益から排除するのに役立つが、棚卸資産価額は、その資産の期末時価と著しくかけはなれたものになる。 |
問題05-04-02 |
解答05-04-02
個別法は、棚卸資産を取得したとき棚卸資産ごとにその取得価額を分けるようにしておき、その価額をもって払出単価とする方法である。
個別性が強く比較的高価で、かつ個々の単価の差が著しい、例えば貴金属製品・宝石等の場合には合理性があるが、通常1つの取引において大量に取得され、かつ、規格に応じて価額の定められている棚卸資産に個別法を適用するのは、利益操作が行なわれるおそれがあるので適さない。例えば、本雑誌(日用品・食料品)などがある。 |
問題05-04-03 |
解答05-04-03
(A) 仕入単価がしばしば変動するときに原価法によると払出単価も変動することになり、製造活動の能率がそのまま製造原価に反映されず、原価管理に役立たなくなる。
(B) 取得原価の判別に時間がかかるときはもとより、取得原価が明らかであっても、実際原価計算を厳格に適用すると計算が遅れて企業経営上不便なことが多い。
(C) そこで(A) および(B) のような場合、過去における平均価格などを払出単価として適用することがある。 |
問題05-04-04 |
解答05-04-04
(A) 予定価額、正常価額などが不適当なために生じた比較的多額の原価差額は当期の売上原価と期末における棚卸資産とに按分して配賦する。
(B) 合理的に僅少なものは売上原価に賦課する。
(C) 標準原価計算制度における異常な状態に基づく原価差額は、非原価項目、すなわち、営業外損益または、特別損益の項目として処理される。 |
問題05-04-05 |
解答05-04-05
(A) 時価法とは、資産を販売した時または消費した時の再調達原価をもって、その払出価額とする方法である。
(B) 物価騰貴の傾向が著しい時に払出単価を取得原価で計算すると、購入の時と販売の時の間の物価上昇による名目利益が期間利益に算入されて、経営資本の一部が外部に流出することになる場合
(C) 実質資本を維持するために、販売または消費した資産と同じものを同じ数量だけ再取得することを可能にする目的で用いられる。 |
問題05-04-06 |
解答05-04-06
(A) 振替価格とは、本社から工場へ原材料を引渡したり、工場から本社へ製品を引渡す場合、または本支店間で商品を移送する場合などに用いる価額をいう。
(B) 同一企業内部で用いられる価額であるところに特色がある。 |